インタープリターブログ/県民の森(栃木県)

 

カタバミ

 
庭の片隅や道端でもよく見かけるカタバミ。
かわいいハート3つの葉はクローバーのようでもありますが、
少し弱々しいイメージで、黄色い小さな花をつけます。
 
 
葉は睡眠運動といって暗くなすると折りたたむようにして閉じるのですが、
閉じた形が葉の片側を食べられたように見えることが名の由来になっています。
 
 
赤い葉のものもありますが同じ種類です。
 
 
ちょっと実験してみましょう。
10円玉を用意してください。
少し古い年代の黒っぽくなっているものがいいです。
 
 
カタバミの葉っぱを何枚かつんで水分が少し出るくらいまで揉みます。
それを10円玉の表面にこすりつけてください。
ゴシゴシゴシ。。。
 
 
みるみるうちに10円玉がピカピカになりました!
 
 
最初と同じような色の10円玉と並べてみるとこんな感じ。
 
10円玉は表面がサビて黒っぽくなるのですが、
カタバミの葉っぱに含まれる成分がサビを落とすので、
ピカピカになるのです。
 
ほとんどの植物は他の虫や動物に食べられないために何かの毒を持っています。
それを人が食べると苦みや辛み、酸味、えぐみと感じたりします。
その中でも人が大きなダメージを受けるほどの毒をもつ植物は毒草と言われます。
 
カタバミは虫に食べられないための毒成分として酸っぱい「シュウ酸」を含んでいて、
その「シュウ酸」が10円玉をピカピカにする働きをします。
 
お庭や散歩道にカタバミがあったらぜひ試してみてください。
 
 
今の時期、畦道に高く伸びてひらひらの花をつけているスイバも
葉や茎にシュウ酸を含むので同じ効果があります。
そもそも葉が酸っぱいから「酸い葉」でスイバと名がついてますね。
 
 
カタバミは、爪くらいの大きさのヤマトシジミという小さな蝶の食草でもあります。
その毒を克服してカタバミ専門に食べるようになった昆虫なんですね。
小さな卵や幼虫がついていたら、そんなことを想いながら見守ってあげるのもいいかもしれませんね。
 
(アクツ)
自然情報(植物) | 2020.05.11 Monday 15:16 | comments(0) | - |

タネの運び屋

風も暖かくなって、地表ではアリがせわしく歩いているようになりましたね。
 
外で時間を持てあましたときなど、
じっとアリの行列を眺めたりすることはありませんか?
ぼくはあります。
 
アリたちはせわしく歩き周りながら
死んだ小さな虫やチョウの翅とかを見つけては、
一生懸命に巣まで運んでいきます。
 
見ていると何か植物のタネのようなものを
運んでいることがあることにも気づきます。
 
タネはどうするんだろ。
食べるのだろうか。
 
そんなお話をします。
 
 
早春に咲くカタクリ。
 
 
花が終わると実が大きくなっていきます。
 
 
やがてタネが熟すと地面にこぼれます。
茎ごと倒れているものも多いですね。
 
 
こんなタネです。
タネになにか白いにょんとしたものが付いているのがわかりますか?
 
これ、実はアリの大好きなもので出来ている
エライオソームというゼリーのような物質。
成分は糖や脂肪酸など。
 
 
アリたちはこのエライオソームのついたタネを運んでいたのです。
巣まで運んだらゼリーをかじり取って、
不要な種子を巣の外に捨てます。
そうやって遠くへ移動して新たな芽を出すのです。
 
種子の動物散布の一種で、
働き者のアリを運び屋にした「アリ散布」というわけです。
 
 
スミレの仲間もアリ散布です。
春一番に咲くコスミレ。
 
 
花が終わると実がふくらんでいって、
 
 
タネが熟すと上を向いて3つに裂開します。
小さなさやにタネがきれいに並んでいます。
 
 
さやが乾燥するとだんだん狭まってタネを順番に弾き飛ばします。
 
 
地面に落ちたタネはアリが運んでいきます。
 
 
タネを確認すると小さなエライオソームがついてました。
 
 
石垣や木の看板の隙間から
スミレが生えていることがあります。
きっとアリがタネを捨てたか、
運ぶ途中で落としたかですね。
 
 
ヒメオドリコソウの、
 
 
葉っぱの間を見てみると、
花が終わって出来かけのタネを物色しているアリがいました。
 
 
タネを拡大してみると、
ここにもエライオソームを確認。
 
 
せっかくなのでタネを集めてアリの巣の近くに置いてみましょう。
(風があるので飛ばないよう石を置いたりして対策)
 
 
すぐにコスミレのタネをくわえて運んでいきました。
 
 
未熟なヒメオドリコソウの実も人気です。
 
1時間くらいでタネはあらかたなくなりました。
 
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アリ散布の植物は身近にも意外に多いので、
お庭でタネを集めてアリの観察するのも面白いですよ。
 
[エライオソームのある植物]
・カタクリ
・フクジュソウ
・スミレの仲間(ビオレなども)
・ヒメオドリコソウ
・ホトケノザ
・ムラサキケマン
・ジロボウエンゴサク
・クサノオウ
・ヤマブキソウ
・ニリンソウ
・スズメノヤリ
・タケニグサ など
 
(アクツ)
 
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自然情報(植物) | 2020.04.30 Thursday 14:38 | comments(0) | - |

紅葉情報【宮川渓谷】

宮川渓谷の黄葉・紅葉が、
この2、3日で一気に進みましたので
駆け足で紹介いたします。

まずは上流方面。
こちらは早めに見ごろに入りました。

チドリノキが山吹色に輝いています。

上流はヒナウチワカエデが多く、そこここで赤く燃えています。

宮川遊歩道の終点近くの紅葉スポットも見事に色づいていました。
お時間があれば足を延ばしてみてください。

そして下流、創造の滝周辺。

ブナやコナラ、シデ類たちの黄葉が見ごろになってます。

反省の滝。

県民の森の幻の滝、五条の滝も健在です。

車道からの眺めも最高です。

そして、マロニエ昆虫館の裏側に、
身近ながらもあまり知られていない紅葉スポットがあります。

午後に正面から陽が差すと、
頭上に満天の紅葉が輝きます!
 
いよいよ始まった宮川渓谷のクライマックスを、
どうぞお見逃しなく!

(アクツ)

自然情報(植物) | 2019.11.18 Monday 14:55 | comments(0) | - |

紅葉情報【キャンプ場】

11月中旬になり、今年も部屋の中に入りたいカメムシたちと日々格闘する季節となりました。

寒い冬を暖かい場所で過ごしたいのは虫も人間も一緒なのかな。

 

 

さて、11/16現在の紅葉情報をお届けいたします。

紅葉はミツモチ山から下り、現在キャンプ場が見ごろを迎えています!

トイレ周辺のカエデの色付きは特によいです。

キャンプファイヤーサークル周辺も休みながら堪能できそうです。

 

天候にもよりますが、キャンプ場の紅葉は来週末頃まで楽しめそうです。

令和元年の紅葉、是非お出かけください。

 

(本多)

自然情報(植物) | 2019.11.16 Saturday 12:06 | comments(0) | - |

紅葉情報【ミツモチ山】

すっかり秋らしく日中は過ごしやすく、朝晩は冷え込む日が出てきましたね。

そんな朝晩と日中との寒暖差があるとおこってくるものと言えば、紅葉!

 

けんもりの紅葉の現在の状況をお伝えいたします。(11/2調べ)

森林展示館周辺や宮川渓谷沿いの紅葉はまだ部分的に始まったばかり。

緑がまだ多く感じられます。

見ごろは第3週目あたりになりそうです。

 

 

 

 

 

現在、見ごろになってきている場所はミツモチ山。

ミツモチ山の西ルートのブナ林入り口はまだ緑が多く感じられます。

 

 

徐々に登っていくと1000m付近周辺が見ごろを迎えています。

 

天気が良ければ、ブナ林の中はとても気持ちよく歩けますよ。

ブナやカエデ類、カシ類の紅葉がきれいです。

ツツジは条件がよく紅葉しているものもありますが、

尾根沿いは焼けたような葉の個体も多いように感じられます。(台風のせい?)

 

 

 

 

標高を上げ、県民の森最高峰のミツモチ山頂。

台風の風で葉が飛ばされてしまったか、

ウリハダカエデのみ残っているだけで紅葉はほぼ冬のような状態でした。

八方ヶ原の大間々周辺も同じように葉が飛ばされてしまったようで紅葉は終わってしまったようです。

ミツモチ登山をされる方は、今月中旬までは山の標高が低い場所で紅葉が楽しめと思います。

 

 

 

 

※登山される方へ※

育樹祭会場跡地からミツモチ登山(西ルート)道入り口までの林道では台風の影響で洗堀がありますが、歩行には問題なく通行できます。足元に注意してご通行ください。

 

自然情報(植物) | 2019.11.04 Monday 14:02 | comments(0) | - |

秋風のけんもり散歩

気が付けば9月。
暑い日があっても、
肌をなでる風に秋を感じるこの頃です。

ノハラアザミでウラギンヒョウモンが吸蜜してました。

秋風にユウガギクが揺れています。

湿気が多いところに群生しているツリフネソウ。

キツリフネも見かけますが、
構内はツリフネソウが多いです。

ガンクビソウ。
これでも開花中。
目立つ舌状花がなくて、筒状花だけなんですね。

アキノギンリョウソウ。
葉緑素をもたないので真っ白。
夏に出るギンリョウソウに比べて透明感がありません。

イタドリの花が満開。

イタドリにノササゲが絡んでいました。

ガマズミの実が赤くなってきました。

アキグミの実も色づいて宝石みたいに綺麗です。

クサギの実もだんだん青みを増しています。
もう少しするとブローチみたいな青い実を林縁に飾りたてることでしょう。

ツノハシバミの実も実ってきました。
ドングリのような堅果はナッツの味で美味しい。
秋も楽しい県民の森でお待ちしています。
 
(アクツ)
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秋の見どころも増えている県民の森ですが、
明日から4日間、森林展示館の森林解説員がご案内する
有料ガイドウォークが開催されます。
ご興味がある方はどうぞご参加ください。
 
 
◇日時/9月13日(金)・14(土)・15(日)・16(月祝)
◇時間/10:30〜11:30
◇受付/10:00〜10:20
◇料金/1000円
◇定員/9名
◇ガイド/森林展示館森林解説員
     本多(13・14) アクツ(15・16)
◇申込/予約不要。開催時間前に森林展示館窓口にて。
◇問合せ/県民の森管理事務所
 ☎0287-43-0479(8:30〜17:00)
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自然情報(植物) | 2019.09.12 Thursday 16:39 | comments(0) | - |

ツツジ情報 5/20

本日は雨。

全国的に大雨となって警報などが出ている地域もあるようです。

これから梅雨に向けて雨が多くなっていきますので皆さまも十分注意してお過ごしください。

 

5月20日雨が降る前に構内を巡視してきたのでツツジの咲き状況をお知らせいたします。

今一番見頃を迎えているのが第2展望台近くのツツジ園です!

ヤマツツジが見事に咲きそろい、けんもり名物『ツツジのトンネル』をつくりだしています!

この日はなんと4種のツツジが一度に見られました!

ヤマツツジ

トウゴクミツバツツジ

シロヤシオ

レンゲツツジ

トウゴクミツバツツジとシロヤシオは見頃は過ぎてしまったようです。

レンゲツツジは咲きはじめたばかり。
 

 

 

 

 

第1展望台周辺はヤマツツジが見頃です。

キャンプ場でもヤマツツジがなんとかまだ見られますが、雨でダメージが大きいかもしれません。

この雨で花が落ちてしまわないか心配です。

宮川渓谷沿いや展示館周辺ではレンゲツツジのみですが数が少ないので、ツツジを観たい方は標高の高い場所がオススメです。

雨が上がったら、再度ツツジを確認してきたいと思います!

 

 

 

 

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(本多)

自然情報(植物) | 2019.05.20 Monday 15:51 | comments(0) | - |

県民の森に春が来た!

ブログで皆さまにご無沙汰しておりますうちに、

宮川渓谷は早春の花で日々にぎやかになってきました。

 

 

春一番に咲くアオイスミレが咲いたかと思うと、

 

 

コスミレもあちらこちらで次々に開花しています。

 

 

フキノトウもだんだんと大きくなってきました。

 

 

キクザキイチゲも開花!

 

 

マロニエ公園ではダンコウバイも咲いています。

 

 

展示館前ではツクシが顔を出し、すくすくと成長中。

 

 

管理事務所前ではふわふわのオキナグサが開花。

 

そしていよいよカタクリが開花しました!

今年度はカタクリ群落周辺の落ち葉さらいができたので、
例年よりも見ごたえがあると思います!多分ですが!

 

そして今から4月上旬にかけて、

咲く花の種類や数がどんどん増えていき、

宮川渓谷は早春の花々の楽園になることでしょう。

 

そんな宮川渓谷をガイド付きで散策できる企画を開催いたします♪

 

4/5(金)〜4/8(月) 

 

けんもりガイドウォーク

第1回 スミレとカタクリ

 

実施時間 10:30〜11:30

受  付 10:00〜10:20

料  金 1,000円/人

対  象 中学生以上

※各回9名様限定

※予約不要。当日受付となります

 

 

一年で、たった数週間しか見らないお花畑をお見逃しなく!

 

県民の森は毎月季節に合った様々なイベントを開催中です。

4月20日(土)には「やってみよう!はじめてのデイキャンプ」が行われます。

定員:6組(25名程度)

参加費:2000円/組

詳しくはこちら!

http://xn--u9j241o17birq.tochigi.jp/event/applicants.php?no=2

ご予約、お問合せは 0287‐43‐0479 まで!

 

阿久津 瞳

 

自然情報(植物) | 2019.03.17 Sunday 16:12 | comments(0) | - |

コアジサイ情報

6月に入り、関東もあっという間に梅雨入りしてしまいましたね。
梅雨時期のけんもりといえば、
『コアジサイ』の季節!
そこで構内の開花状況をお知らせいたします。

林道高原線のヒノキ林作業道内のコアジサイ
高原線周辺のコアジサイは青みが強いように感じます。

ん?

あれれ?

見てお分かりのとおり、
すでにピークを過ぎてしまっていました…(-_-;)
一昨日の雷雨で追い打ちをかけられたのかもしれません。
先週が見頃だったようです。
ですが、中には綺麗な新鮮な花もまだ残ってるようなので、ぜひ足を運んでみて下さい!

構内の巡視中にはアサギマダラを見かけました。
綺麗なあさぎ色がかすかに見えますね。
今年もけんもりへ渡って来てくれたのかと嬉しくなります。
育樹祭記念緑地から宮川上流に抜ける遊歩道沿い
こちらは白っぽいコアジサイのようです。

こちらは丁度見頃を迎えています!

高原線のように株がたくさんあるわけではありませんが、

今週末ならこちらがオススメです。

 

コアジサイのポイントの詳細につきましては、

森林展示館で詳しくご案内しておりますので、窓口へお立ち寄りください。

最後にミツモチの丘からの夏雲
また今年も暑い夏がやってきますよ〜
(本多)
自然情報(植物) | 2018.06.14 Thursday 14:25 | comments(0) | - |

アリに種子を運んでもらう植物たち。

植物たちは、自分の子孫を広範囲に広めるために、

種子をできるだけ遠くに運ぼうと、様々な工夫をしています。

 

例えばタンポポの仲間は、種子に綿毛を付けて、風に乗って飛んでいけるようにします。

通称くっつき虫と言われるオナモミ、アメリカセンダングサなどは、種子にトゲを付けて、動物や人間の服にくっつきます。

サクラ・ミズキなどはおいしい果実をつけて鳥に食べてもらいます。

ナラ、カシなどは栄養豊富な堅果をリスが土の中に貯蔵してくれます。

 

今回ご紹介するのは、種子にエライオソームという栄養豊富な物質を付けることで、アリに種子を運んでもらう植物です。

カタクリ、スミレの仲間、アケビ、ホトケノザなどがそうです。

 

ちょうど宮川沿いでカタクリの種子が熟していたので採集し、

実際アリが運ぶのか実験することにしました。

 

 

 

 

 

種子の先端についている薄黄色の物質がエライオソームです。

 

 

 

展示館前の石畳の間にあったアリの巣の前においてみました。

 

 

早速アリがエライオソームに食いつきました!

 

 

動画の撮影に成功したのでご覧ください!

本当に巣の中に運んでいきました!

 

ちなみにエライオソームを取った後の種は不要になるので、アリは巣の外に捨てます。

このようにして、カタクリは広がっていきます。

 

アリは栄養豊富なエライオソームを食べられ、

カタクリは種子を散布できるというwin-winの関係となっています。

 

植物の巧妙な生存戦略には驚かされるばかりです。

 

(阿久津 瞳)

自然情報(植物) | 2018.05.31 Thursday 10:47 | comments(0) | - |

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